ジェイムズ・ティプトリー・Jr『輝くもの天より墜ち』

輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫 SF テ 3-6) (ハヤカワ文庫SF)

　だいぶ時間がかかってしまったのですが、読了したからには一応感想を書く。
　うーん？　自分が消化するのに、だいぶ時間をかけてしまったせいもあるとは思うのですが、何だかイマイチな印象を持っています。作中の時間は1日よりちょっと長いくらいかしら？　それに合わせる感じで読んでいけばもうちょっとスピード感を実感できて違ったのかもしれませんが。あと、何だか微妙に断片化されている印象と言うか、何というか、それこの長編でやらなくてもいいんじゃないかなあ？　と感じるネタが多かったというか、読ませどころみたいのは何ヶ所かあるんだけれど、どれも微妙に消化不良な印象というか、あざとく感じてしまって何だか入り込めない状態というかがありました。
　うー、連作短篇でやるとか、語り部を独立させてみるとか、何かもうちょっとやりようがあったような気がしてならない。あと、ノヴァ絡みの時間揺動も何だかインパクトが薄い印象。発想的なインパクトの大小を問題にしているわけじゃなくて、ネタの印象が濃くなるように活用されていないように見えるということを俺は問題にしているのね。
　まあ、そんなわけで、一言で言うとだいぶ消化不良かなあ？