クリストファー・プリースト『奇術師』

 去年(2006年)の夏の帰省で読もうと思っていたのだが、今回(2006年末〜2007年頭)の帰省で読み始めて、ようやく読みきった。時間かけ過ぎ。って言うかいまさらこんなもの読んでんじゃねえよ、いや傑作っていうのは俺は諸手を上げて認めるけれども、だからって微妙に時期を逃したものを読んで、その感想を、これ見よがしに見せるってどうなの〜。はい、キモい自己批判終わり。
 まだ一読しただけなので、いざ細かいことを聞かれるとよくわかんない、というのが実情です。『逆転世界』ほど明確に視点の転換ってのを提示してくれなかった感じですが、それがこの作品が受けている所以なのかな、とも思う。まあ、作中で使っている手段そのもの自体は明確に提示されている、と思うし、その手段自体は私も充分に興味をそそられるので、あとは何度か読み返してみて、「ここではこういう風に手法を使うのか、ふむ、そこではそういう風に使ったか」とか色分けした傍線とノートでもとりながら読んでみようか、というモチベーションが少しは発生するくらいには面白かったですよ。はい。もっとガジェットを俺の中で噛み砕いて理解しておきたいなあ。
 あと、解説で「プリ−ストにはリサーチ癖が……」みたいなことを書いてあって、プリーストの俺的評価がまた上がった。まあ、こういう項目でこれまで俺的評価が上がった人って皆川ゆか先生と流星香先生くらいだから、そのラインナップは一般的にどうなの、とか思わなくはない。