樺薫『めいたん メイドVS名探偵』

 ああもう、この良作は! どう表現したものか困りますが、とにかく良作だと思います。
 (以下ネタバレを含む)
 適当に歴史の中にIFを放り込んで、その後の流れを描く偽史小説、ってのが一番近いのではないかな。昔、新撰組モノにはまりそうだった一時期があり、なおかつ『燃えよ剣』を読んで、土方にほれ込んでいた人間としては、『燃えよ剣』の土方とはタイプが違うけれど、この歴史線上の土方の弟子筋に当たるエヴィの真摯さに、非常に好感を持ちました。途中、多少脱線気味になってる部分があって(牝馬以下略とか)、読んでる最中に集中力が途切れたけれど、おおむね飽きずに読めたよ。エヴィ大好き。でもちょっと斜に構えた感じのローラは多分もっと好き。