脳細胞の無駄遣い

 最近、知人から将来設計について色々と突っ込みを受けることが多い。プライベートで参加したパーティで、数年ぶりにお会いした知人のAさんから「今みたいな働き方をしていると(主に雇用形態の面で。俺は派遣社員で働いているのだ)、どう考えても損だよ? まあ、所詮は他人事だからどうでもいいといえば、どうでもいいことなんだけれど」とか突っ込まれた。別の知人Bさんから「とりあえず、メインのゴールを決めて、その次にサブゴールを決めて、順繰りにクリアして行こうよ。変わっていかないとどうしようもなくなっちゃうよ? sakakiguraはどうなりたいのさ?」とか突っ込まれたりもした。途中で後輩のCくんが乱入してきて「sakakiguraさんは、ドキュンになりたいのかなあ? だって女の子といちゃいちゃするの大好きでしょ?」とかいう方向に話が脱線していったが、それはまた別の話。
 Bさんとは、結構お会いする機会が多いので、どうしても顔を合わせると、俺の将来設計という話題になってしまうのだが(この人は俺が生まれた年に大学に入ったというくらいに年上の人で、色々な仕事を渡り歩いたりした上に、色々と後輩とか部下とかの成長とかを見てきた人なので、その上でのアドバイスをもらえるのは、非常に俺にとって有利なことなのだけれど)、この間(パーティーから1週間後)ついに「取り合えず、派遣社員で働いているのはそろそろ無茶があるので仕事先のBossに正社員にしてもらえませんか? っていう話をしようよ。ぐずぐずしている時間はないよ? 時間との勝負だから、週明けにもすぐに実行しようよ」とかいう宿題を出された。
 というわけで、10月第1週から、頭を悩ませたまま仕事をしていた。結論から言うと、「正社員にしてください、という話はしなかったが、俺自身はそれでよかったと思っている」という結果だった。正社員にしてください、という話をしなかった理由は、まあ色々あるのだが、大体以下のような感じ。(1) (俺は見栄っ張りなので、プライベートな人間には今まで言っていなかったが)俺は勤怠があまり良くない、ということ。(2) (1)にも絡むが、俺は新入社員当時は今より更に勤怠が悪かったので、上司からは嫌われているであろう、ということ。(3) (1)については、上司は半分諦めているような印象を俺は感じているが、だからといって俺が「正社員として雇ってください」とか言い出せるような印象ではないこと。(4) (3)と絡むが、俺と数年の間曲がりなりにも付き合ってきた上司は、俺の勤怠とかを見ているので、俺が今更「これこれの理由で正社員にしてください」とか言い出しても、「これこれの理由」の部分の修飾に含まれる嘘とか建前に気づくであろうこと。(5) 何よりおれ自身が、(1)〜(4)、後述の(6)などの理由で、(3)の「これこれの理由」の部分に自信を持てない、心から信じる、自分に信じ込ませて暗示をかける、といったことが出来そうにないこと。(6) 俺は、持って生まれた思考回路として、「失った信頼はどうやっても回復できない」とか考えて、半分人間関係のリセットとか再構築とかについて、諦めている部分があること。何だろう、自嘲的になると「今日やらなくちゃいけないことを、明日やるとかいうやつは、今日やらないための言い訳を無限に思いつくものだな」みたいな台詞がスクライドにあったのを思い出してしまうが、そういう思考回路なんだからしょうがないじゃないか! これでも俺は空気読んでるつもりなんだよ! どっちかというと自分でここ数年の間に職場に作り出してしまった空気、のような気もするが。
 あと、派遣元の会社の人間と話す機会があったので、(その人は俺の雇用関係に直接関係する人、所謂俺の派遣先を担当している営業の人とか、ではなかったし、現在の派遣元の会社の体制についても、何か腹に一物のありそうな人だった)、思い切ってちょっとこの関係を話してみたのだけれど、話を聞いているうちに、俺の月単価が、俺が漠然と想定していた額よりも大分少ない、ということに気がついてしまったので、「そりゃ派遣先に対して、俺を正社員にして、とか言う話をするのは無しだなあ」という気分になってしまった。さて、どうしたものかなあ。現在の派遣元の上層部に俺から相談を持ちかける気など、俺には微塵もねえしなあ。