ウテナの話

 ウテナのDVD-BOXを映像特典以外消化した。随分昔に知人AとBに劇場版ウテナ(『劇場版』と言う、『少女革命ウテナ』 / 『宇宙戦艦ナデシコ』 / 『アキハバラ電脳組』の王子様3部作劇場版DVD3枚セットという代物があって、それに収録されているヤツ)のDVDを見せたときの事を思い出した。知人Aはウテナの演出にいちいち驚いてくれる、という非常に律儀で素直でスレていない人だったので、リアクションを見ていて楽しかった。知人Bは「アンシーがエロカッコいい。sakakiguraはこういうのをベタ褒めする人ですね、わかります」みたいなリアクションだったのですが、まあそれはいつものことだ。
 話を本筋に戻すと、ウテナが俺にとって不世出の傑作であることは自明なのですが、それを今見せて万人にウケるかと言うとどうなんだろう、とは思う。何でこんなことを考えているかといえば、知人Aにウテナを見せたときのリアクションを眺めて楽しむ、みたいなことをしたいのだが、誰に見せたものか、というところで悩んでしまうせいなのだ。「自分の交友関係の中で、ウテナを見せて大喜びしそうな人間は、もう既に視聴済み」とか、「昨今言われているニコ厨に代表されるような世代にウテナを見せても、あまり喜ばないのではないか? という漠然とした不安」とか。会社関係の若いのにオタク的な素養のあるヤツは居そうなんだけど……ちょっと見せるのには勇気がいるかも。それとも、喜んでもらえるかどうかは、その人間の性格に起因しているのかなあー。
 こういうことばっかり考えていると「最近の若いのはなってない」と不平を言う老いさらばえたオタクみたいで、ちょっと自己嫌悪。したの世代との考え方の相違というヤツは、「そういうコトが存在しているよ」って声高に主張するような人間が身近に居るから俺が影響されている面は多くて、実際にコンタクトしてみれば、また違った印象があって、俺の心境も変わるかもしれない。