五十嵐雄策『乃木坂春香の秘密』3巻

 はいはい、見事な引きオチですね(棒読み)。これで4巻以降も読んでみようかという気にちょっとはなりましたよ?(半笑い)
 
 (以下ネタバレを含む)
 何か上で喧嘩売ってます。予想通りといえば予想通りだし、まあそうせざるをえないというのもシリーズ構成として正しいんでしょうね。「ボーイ・ミーツ・ガール → 周囲の人間から2人の関係を認定 → 新キャラ登場で三角関係成立」という流れは、ひとつのシリーズ構成への解答として、妥当な選択のひとつだとは思います。でも、なんだかイマイチ俺の気分がノッテこないのは何故なんでしょうか?
 伏線の張り方がうまくないのかしら? うまくない、と言うのは、伏線の入れ方が、数が少ない割りに、あからさまに伏線ですよ、という書かれ方をしているせいで、「この子は多分今後の話に絡んでくるのかなあ」というコトが見え見えだ、という程度の意味です。あと、これまでの女の子の感情描写を見ていると、なんだか今から三角関係を作り上げても、わざとらしさだけが目に付くんじゃないかな、という不安感があります。なんだろうこの不自然な感じは。『護くんに女神の祝福を!』だと三角関係が発生してからのほうがダンチで面白いのに、それと同じような予感であたしもえてきちゃう、といったことが一切無い。多分、相手方の女の子がまだ伏線としてしか出てきてなくて、彼女の内面とかがわかっていないせいなのかな。「春香にライバル心があるが、まだ自分が及ばないことは認識している」「性格はさばさばしていそう」ぐらいの情報じゃ、まだまだ足りないんだろう。もうちょっとボリュームをください。濃いい味付けは遠慮しますが、適度なボリュームを。
 あと、それとも絡むのだけれど、『護くんに女神の祝福を!』の場合は、最初敵(カタキ、と読んでくれると嬉しい)キャラとして登場して主人公陣営といろいろあった後で、恋の宣戦布告、という三角関係の成立過程なので、『乃木坂春香』の(今のところ)お仕着せっぽい三角関係の成立過程というのとは違うからなあ。キャラ単体での感情表現を描かないうちに、単純に「こういう女の子がいます」「三角関係の予感?」とか見せられても、ちょっと対処に困るというか、そういう若干引いた状態になるというか。
 まあ、その辺の確認のために4巻は入手するのだろうけど。