高屋奈月『フルーツバスケット』23巻(完結)

 ようやく完結したというのは前にも書いた通り。話の大筋としては前巻でほぼ描ききっているので、特に今巻で進展は無く、壮大な終奏という感じ。個人的な趣味の話をすると、こういった沢山キャラがいて、最終回でそれぞれについて、ちょこちょこ描写がある、という形のネームの切り方は大好きなのでいいのだけれど。結局俺は由希と透がくっついてくれるといいと思っていたのだが、由希が透への好意を母への親愛に近いものだとまとめてしまっているのが不快だったのかもしれない(……って何巻前の話だよ!)。いや、今の由希の非常にラブコメブコメした倖せを不快に思っているわけではないんだよ? 由希は由希で自分の大切にしたい相手をちゃんと見つけてその人と歩んでいる、っていうのはもの凄く見てる側としても倖せなのは認める。
 何か話がずれたので、最終巻に絞った話をすると、前巻の展開に対して殆どのキャラが素直に受け止めて次への一歩を踏み出しますよ、という話なのだが、リンがぐちゃぐちゃしているのが自分には好ましく見えたと同時に、そういうぐちゃぐちゃしているのが、今まで色々あったリンにとっては"素直"なうけとめ方として作者が考えているのかと思うと、自分はちょっと切なくなってきた。まあリンには春がいるからいいのだけれど。
 あとは、りっちゃんは、これは俺か、と思うくらいにアレなので大好きなのだが、みっちゃんと倖せそうにしているので、まあ俺ももの凄い倖せではある。燈路も、不敵な笑みが大好きでハマったキャラだったが、最後もちゃんと杞紗のサポートっちゅーか、フォローっちゅーか、をやっていて微笑ましい。
 慊人は、ああいう服が好みなんだあ、ちょっと意外って感じ。まあでもその辺も慊人の変化を示しているのかしら。今までも性格に合いそうな服じゃなくて、ちょっと違うもの選んでみる慊人。
 花ちゃんは……俺は喜んで従うよ? むしろ自発的に。
 これで好きなキャラについては多分全員思いを語ったので終わり。