こいずみまり讃歌

 最近何箇所かで、こいずみまりを褒める文章を見かけて、それに触発されたので、自分もこいずみまりをベタ褒める文章を書いてみることにした。
 ここで、まず自分の摂取したこいずみまり作品の確認。

        • 『愛のふじつぼ』 文庫版
        • 『健全恋愛ライフ』 文庫版
        • 『若奥様とセールスマン』 文庫版
        • 『巨乳OLみゆきちゃん』
        • 『コイズミ学習ブック』
        • 『CUT×OUT』
        • 『レイとルリのスイートライフ』
        • 『お姉さまとお呼びっ!!』 文庫版
        • 『ガーデンオブエデン』
        • 渋谷ガーディアンガールズ
        • トゥインクルトゥインクル
        • 『ジンクホワイト』 文庫版

 個人的に好きな部類は、『健全恋愛ライフ』、『CUT×OUT』、『ガーデンオブエデン』、『ジンクホワイト』、『渋谷ガーディアンガールズ』かなあ。
 『健全恋愛ライフ』については俺よりも良い何かか何処かにあるので、あんまり言及しないけれど、基本的にもやもやして息苦しい感じ(喫茶店でマキと神崎がごにょごにょする辺りのモノローグがわかりやすいかな)が、今の俺の気分によくマッチしている、というのが大きく評価を上げている。
 『CUT×OUT』は、「Murder of love」、「Saturday. pm 12:30」、「わたしのことをあまり好きではないあなた」、「ものぐさなヒト」とかが、好き。前の三つは、心が締め付けられるよな読後感があって、良い。「ものぐさなヒト」が上位に来てる辺りは自分でもどうかと思うのですが、それは俺個人の問題なので。キャラが好み、という点で行くと「Virtual foreboding」とか「モモちゃんとジュンちゃん」とか「クリスマスは、会社で」とかも入ってきますが。あんまり深く考えなくても楽しめる話と、ちょっと考え込んでしまうような話とかが、混在している辺りに『CUT×OUT』の魅力はあると思うのね。
 『ガーデンオブエデン』、『ジンクホワイト』は、絵描きさんの頭の中がわかった気分になって、センス・オブ・ワンダーを感じることができる辺りが好き。『ガーデンオブエデン』の方がSFっぽさ、というか、オカルトと断言してしまうにはちょっとおどろどろしさが足りなくて、不思議、としか形容できない印象が強くなっている。『ジンクホワイト』でも石膏デッサンの話とかが、そういう絵描きさんの頭の中が描かれていて好印象です。『ジンクホワイト』は、他にもエピローグ周辺のごにょごにょした部分の、立ち上がりたいのに立ち上がれない状態みたいなのが、俺の心の琴線を刺激してきて、もう大好き。
 『渋谷ガーディアンガールズ』は、地方出身者の俺は渋谷という土地に「カッコいいんだけれど、裏で何やってるかわかんないニオイ」を感じ取っていて(多分高校のころに断片的に読んだ『サイコメトラーEIJI』とかのせいだと思うんですが)、それが表現されていると思うので高評価です。あと、ガジェットがいちいち俺好みで好きにならずにいられない。女子高生が正義の味方、とか、女子高生の片割れが普通の家庭に育ったようなんだけど実は格闘技の達人、とか、馬鹿な親族の引き起こしたお家騒動に巻き込まれる女子高生のもう一方、とか、執事とお嬢様、とか、ゴスロリとか自傷癖とか百合とか、実は身近にいた人の愛に気づいて生きる勇気を得るとか、麻薬とか売春とか。もう、いちいち「柔らかい肌白い粉こんなモノでしかキマれないイケない」俺の趣味を的確についてきている。

 (2008.02.20 修正事項)