判決を言い渡す。被告人は

 何となく自分のスタンスに通じるようなものを感じないではないような誰かさんが批判されているのではないか、と思ったので、俺が摂取した作品のレビューを書くときに考えているであろうことを書きとめてみる。批判云々はもの凄い誤読かもしれない。
 本だと、読んだときに最後まで読んでもらうために作者はどういった工夫をしているのかしら、という辺りに、俺は何となく主眼を置いているのだと思う。だから「シリアスとコメディーのバランス」とか「緩急」とか、そういったものを考えようとするし、作者本人は、作品を読んでもらうためのもの凄い努力をしているのに、作品としてバランスが歪になったものには、たまらない愛情を注いでしまうのだと思う。皆川ゆか先生のことかな。そうなんだろうな。
 「この物語に主題を見出さんとする者は告訴さるべし。そこに教訓を見出さんとする者は追放さるべし。そこに筋書きを見出さんとする者は射殺さるべし」の話だよ。俺は銃殺刑に処されるべきだと、俺の中の自意識過剰回路が働いたので、最終弁論的な言い訳をしたかっただけ。でも俺の脳内最高裁大法廷は全員鼻薬を嗅がされているので、判決はもう百億万年前に結審しているのです。ポストが赤いのも、カラスが黒いのも、皆僕のせいなのです。死ねばいいのに。