初回遭遇(ファースト・エンカウンター)

 何かと邂逅した。前々から知人から伝聞である程度の情報を得ていたり、本体のWEBでの足跡をこっそりと追跡していたりしたのだが、実際に接近するのは初めてであった。我ならばもう少しためらいそうなものだが、何の忌憚もなくWEB上の日記と同じような内容を並べ立てる会話のセンスに吃驚した。我の場合は書かなくてもいいことまでWEB上に書いているのであるが、何かの場合は書かなくてもいい、というような価値判断をはさんでいなくて、その日にあったことを極力忠実に記述しているように見えた。そしてその内容と同じようなことを何の忌憚もなく公言している、ということで、何かにとって彼の場は比較的居心地のいい場所なのであろうと、勝手に何かの心情を斟酌してみた。
 一言で言うと「何事に対してもガチ」とでも言えばいいのであろうか。「ガチ(ガチンコ)」という言葉は、我にとってはわざとらしい語感と、ドキュンな人間が何かやる度に「ガチ? ガチ?」と発言する時の印象が付きまとっていて、我は極力使いたくない形容なのだが、今回ばかりは他に適当な形容が我の低脳な語彙では発見できなかったので、この形容を使うことにする。