原作 京極夏彦 / 作画 樋口彰彦『ルー=ガルー 忌避すべき狼』1巻

 1巻の感想は今まで書いていなかったのだけれど、ちょっと前に「レベルの高い百合漫画」と評している人がいたので、1巻からきちんと整理して感想を書いてみようか、という気分になった。というわけで1巻の感想。
 都築美緒が好きだ、という話は以前にしたので割愛するが、美緒は美緒で可愛いよね、他の女の子と同じくらいに。何て言うか、牧野葉月 / 神埜歩未 / 都築美緒 / 矢部裕子という四人組の話ではあるんだけれど、葉月を中心として、その繋がりが成立していく様とか、繋がりを確認していく様とかを描いていく話なんだろうな。原作はよく覚えていないのだけれど、その辺の分量が原作に比して多くなっている気がする。第1巻では矢部裕子が、最初その辺の繋がりに対して否定的なのだけれど、連続殺人事件をキーにして、その辺の繋がりに参加していくように変化していく様子が非常に好ましい。んで、その転換の契機となる(連続殺人事件本体ではなく、この時点では後日談的な)エピソードが、(矢部の心に響くほどなので)当然ながら葉月、歩未、美緒それぞれに見せ場があって非常に好印象だった(一番矢部の心に響いたのは、葉月の行動なんだろうけど)。