朝森瑞季『つゆだくめしべ』

つゆだくめしべ (バンブーコミックス VITAMAN SELECT)

つゆだくめしべ (バンブーコミックス VITAMAN SELECT)

総評

 ラブコメ的と言うか、何と言うか、まあ一言で言うとヌルいエロ漫画です。全体的に前の短編集『天使のキュッ♥』に比べて大人しいと言うか地味と言うか、そういった印象。「気になる人から恋人に変化するまで」みたいなのばっかりで、「恋人同士のアレコレ」みたいな話が無いのと、全体的に登場する女の子が大人し目で、こっちをガンガンリードしてくるようなタイプの娘がいないの、という2つの理由のせいかしら。

「おもいで輪舞曲(ロンド)」

 主人公が入った会社の先輩には学生時代の後輩が居て……という話。

「あつかん小町」

 行きつけの酒屋でバイトをすることになって、その家の娘と……という話。

「逢えなくなっても」

 主人公の勤める事業所が閉鎖されることになり、憧れの同僚と別の職場になってしまう前に……という話。

「ブレイクしましょ」

 職場のデキる同僚が大学受験についての相談を主人公にする内に……という話。

「愛は散らかる」

 主人公は自分の住んでいるアパートの大家さんの娘に憧れていて……という話。

「純愛ランチ」

 給料日前の金欠状態主人公に、同僚の女性がお弁当を作ってきてくれることになって……という話。「茶色いおかずでごめんなさい」という台詞が萌える。

「ないしょのガールフレンド」

 主人公が、同じマンションに住む女性と仲良くなったのだけれど、その女性は実は……という話。

「ふたりの時間」

 主人公が失くしたケータイを拾った女性と仲良くなっていき……という話。この話の女性は、他の話の女性と比べて陰のある印象が強くて個人的に好き。

おまけ

 癒し系と言うので一貫しているから、雑誌掲載という切り口で見るとバリエーションの一角を担っているだろうと推測(掲載誌は見ていないので、あくまで推測)するのですが、単行本として纏まっていると、個人的にはちょっと物足りないかなあ。
 結局、俺はもうちょっと即物的なエロティシズムの方が好みなのか、というコトを再認識した形になったり。